子育て応援メッセージ〈子育て相談員 筒井〉パート2

「クリスマスの思い出」

もうすぐクリスマス。キリストの降誕を祝う日とされていますが、子どもたちにとっては、サンタクロースの方が馴染み深いですね。イブの夜、トナカイのひくソリに乗ってやってきて、良い子にプレゼントを配ってくれる。わくわく、ドキドキしながら寝る子、ひと目会いたいと頑張って起きていても、いつの間にか眠ってしまう子もいるかもしれません。

クリスマスにわくわく、ドキドキするのはそれが楽しい思い出として心の中にちゃんと残っているからだと思いますが、みなさんは自分が小さかった頃の事、どのくらい覚えていますか。いろんなことがすぐに浮かんでくる方もあまり覚えてないな、という方もみえるかと思います。
人の記憶はその時に見ていた景色や聞こえてきた音、匂いや味、温かさや心地よさなど感覚的なもの(五感)と一緒に記憶されると言います。感覚的なものと一緒に閉じ込められていた記憶は普段は忘れてしまっていても、季節の花のにおいをかぐことでそのころの様子を思い出したり、聞こえてきた音に懐かしさを感じたり。みなさんにもそんな経験があるのではないでしょうか。特に言葉の習得が十分でない小さい頃の記憶は五感をとおして心の中に蓄積されていくと言われています。大人になるにつれてしっかりした記憶は薄れていきますが、ママと一緒に手をつないで歩いた光景や、一緒に笑ったり、時には叱られたり泣いたり、でもぎゅっとされた時のぬくもりや安心感は自分が大切にされていた、愛されていた記憶としてきっと心のどこかに残されていくとのだと思います。そしてそうした記憶が心のどこかにあることで、子どもたちが成長していく中で、辛いことがあったり、何かにつまずいたり、壁にぶち当たったりしたとき、それを乗り越え前へ進んで行く“生きるエネルギー”になっていくのではないかと思います。

クリスマスが素敵な思い出として心に残るのは、きっと大好きな家族と一緒に笑顔に囲まれて心地よさを感じられたからです。大切なのは特別な日だからではなく、日々の生活の中でたくさん抱っこしてあげたり、笑顔で話しかけたり、あなたのことが大好きだよ、と伝えていくこと。ママや家族といれば安心、守ってくれる、受け入れてもらえる、そんな思いを心の中にたくさん残してあげたいですね。

 

「観葉植物のフシギ」

新しい年を迎えました。今年は寅年、寅の中でも壬寅(みずのえとら)といい、厳しい冬を超えて春の草木が芽吹きはじめる、新しい成長の礎となるイメージの年だそうです。コロナウイルスの新規感染は減少傾向にあるものの新しい株が発生し不安な日々が続いていますが、それでも我慢の自粛生活は少しずつ緩み始め、感染対策をしながらの生活が始まっています。楽しいことを見つけて工夫しながら、少しでも安心した毎日を過ごすことができるようにと願うばかりです。

数年前になりますが…病院にはいろいろな場所に観葉植物が置かれていますが、毎日マイナスイメージのことばが発せられる診察室に置いてあるものはいつもすぐ枯れてしまう、精神科の医師からそんな話を聞く機会がありました。植物を育てるとき「ありがとう・大好き・頑張ってるね」など温かいことばをかけると「バカ・だめ・邪魔」など言われたら辛いことばをかけたり、何も声をかけなかったりした時より成長が早く、野菜などはおいしく育つという実験データもあります。植物がことばを理解して聞いているとは考えられず科学的な根拠は未だない、ということですが、植物の持つ生きる力が何かを感じ気持やことばの持つエネルギーが伝わっているのかもしれません。私たちはことばを理解することができ様々な感情も備わっています。特にいろんなことを周りから吸収し成長していく子どもたちにとって、かけられたことばの影響はもっと大きいはず。否定や心が傷つくようなことばの中では子どもの豊な育ちは望めないのではないでしょうか。ことばの意味を理解する前の赤ちゃんにもやさしい言葉や幸せな思いはほっと安心できる温かな感覚として心の中に伝わっていくのではないかと思います。
毎日の暮らしの中で子どもたちにかけることばや家庭の中に飛び交うことばは温もりのある、心地よい、やさしいことばであったらいいなぁ、と思います。

「ストレス発散法」

新型コロナウイルス感染が拡大し終息の兆しはなかなか見えない毎日が続いています。小さな子への感染報告も増え、できる限りの対策をしながらの毎日は心のどこかにいつも不安があって、いつの間にかストレスを抱えてしまっているように感じます。今を少しでも元気に過ごすために自分でできるストレス発散方法を見つけられたらと思います。

ストレス発散の簡単な方法として「大声を出したり運動をしたりしてスッキリする」や「お風呂に入ってリラックスする」「おいしいものを食べる」の他「ノートに書く」という方法があります。怒りの気持ちやイライラを文字にして書くことで嫌なことや辛い気持ちから解放されたり、自分の心の中が整理されたり、感情のコントロールができるようになるのだと言います。また、逆にどんなに嫌なことがあっても悪かったことはあえて書かず、毎日その日の良かったことを三つ簡単にメモするやり方もあるようです。一生懸命に頑張って気持ちにゆとりがなくなると、日常の中にはいいことがたくさんあるのに気づかないままそれらを当り前のことのように感じてしまい、不満やうまくいかなかったことばかりに気持ちが捕らわれてしまいがちです。今日一日を思い出してみると、寒い北風の中にも時折あたたかな日差しが感じられたこと、子どもをだっこした時のぬくもりや笑顔に癒されたこと、仕事を終えて疲れた後の一杯のお茶にほっとしたことなど心がほっこり温かくなった瞬間が見つかるのではないでしょうか。子育てや家事に慌ただしく追われ、思うようにいかないことや辛いと思うこともたくさんあると思います。でも見過ごしてしまいそうないいこともきっとある。そんな穏やかな幸せを見つける喜びをママにも子どもたちにも家族のみんなにもたくさん感じて欲しいと思います。

もうすぐ節分。近年では鬼を退治する“豆まき”より“恵方巻”の方が馴染み深くなり「家庭での豆まきはしない」と言う話も聴くようになりましたが、せっかくの季節の行事です。できるやり方でかまいません。悪い鬼や弱虫鬼、コロナ鬼たちを家族で追い払って、“福”とたくさんの安心感を呼び寄せることができたらいいなぁと思います。

 

 

 

「かけがえのない毎日」

8ヶ月にわたってお届けしてきた“子育て応援メッセージ”は今回が最終となりました。子どもたちは日々大きくなりたくさんの成長が見られた8ヶ月だったのではないでしょうか。

子どもを育てるということはとても大変なこと、なかなか思うようにはいきません。一緒にあそんで、食べさせて、自分のやりたいことは後回し、夜もぐっすり眠れない。お風呂どころかトイレもゆっくり入れないこともありますよね。泣き止まない我が子にイラついて思わず怒鳴ってしまい、そんな自分を責め、ますます落ち込んでしまう、こんな日がいつまで続くのだろう…。
子育てはいくら頑張ってもすぐには答えが出ないこともたくさんあります。ですが、泣いたり笑ったり怒ったり、楽しい時も辛い時も、親子で触れ合う日々の積み重ねが子どもにとっても親にとっても心の支えになります。いつか子どもが大きくなって成長を感じた時、一緒に過ごした全ての日々が、かけがえのない大切な毎日だったと思える日がきっと来ます。子どもは、今、あなたが頑張っている姿をちゃんと見てくれています。

「人は一人で何でもできるようにはつくられていない、だから誰かと一緒にやるんだよ」ということばを聴いたことがあります。「自分のことは自分で出来るように」「人に迷惑をかけないように」と、よく言われますが、本当に困った時、自分だけではどうすることもできない時には、人の助けを借りることが必要です。特に初めての子育てで分からないことばかりのお母さんにとって、近くにいて声をかけてくれる人がいるだけでとても心強いですね。まわりの人を巻き込みながら一緒に子育てをしていきましょう。そして、子どもが大きくなって自分の時間に余裕が持てるようになったら、今度は、子育てで悩んでいるママたちのよき話し相手になって頂けたら嬉しいです。そうして人と人とが結びつき、地域の中で子育ての輪がずっと繋がって笑顔を拡げていくことができたら素敵だな、と思います。

そして、私たちもあなたの子育て応援団の一人として笑顔で子育てをするお手伝いをさせて頂けたらとても嬉しいです。

最後に“子育て応援メッセージ”を読んでくださりありがとうございました。